9月12日の朝来市議会は、午前中に吉田議員、足立議員、加藤、午後から水田議員、上田議員の一般質問があった。
一般質問項目一覧
吉田議員:市長の政治信条とは?
「市長は何を目指しているのか」と、市長の基本的な信条・政策を問うた。大事な問いである。市長が方向性を定めなければ、職員も、市民も、議会も方向を見失ってしまう。市長は「全ての住民が幸せを実感できるまちづくりをしたい」とのこと。そういったミッションも大事だが、その根底にある政治信条や、その先にある具体的な政策大綱と一体となって、このような言葉は意味をなすのではないだろうか。「全ての人を幸せに」だけだと、そこに何か価値を見出すのは難しい。
さて、最近よく思うのだが、自治体の長と「政治信条」はどのような関係なのだろうか。よく国会議員なんかが地元で集会等を開くときに、選挙区の市長・町長がこぞって来席し応援をしたりする。これは、その国会議員の政治信条に共感するから応援をしているのか、それとも地元の国会議員だから自分の自治体の便益も考えて応援をしているのか、はたまた両方なのか。僕には判断がつかない。長は積極的に政治信条を表明すべきなのだろうか。また、例えば副市長が市長と正反対の政治信条を持つことはできるだろうか。吉田議員の質問を聞いて、改めてそのことを思った。
足立議員:竹田のまちづくり
竹田地域のまちづくりをテーマに質問をされていた。街というのは、ある側面がクローズアップされることはあっても、基本的には重層的な存在だ。竹田も古代には古墳が造られ、豪族の歴史があったことが知られている。戦国時代には竹田城が築城され、城下町も栄えた。城下町から家具、漆器といった産業も生まれた。現在はその史跡を活かした観光地としての賑わいを見せている。また、周辺部においては豊かな田んぼが広がる農業地域となっている。街中には福祉施設が集積しているのも特徴である。若者の移住者も多い。
僕は個人的には竹田は「竹田駅」を起点にいろいろなことを考えていったら良いのではと考えている。竹田城にしても、城下町にしても、駅の目の前にあるというのは大変な強みである。そこで、ターゲットは若者、高齢者、障害者、外国人といった交通弱者となる。コンテンツとしては、学校、セカンドライフ向けの住宅、グループホーム、ゲストハウスといったものが考えられる。こういったものを、竹田城を呼び水に作ったらどうだろうか。そんなことを考えたりした。
水田議員:広報誌について
広報誌について質問をされていた。単なる「お知らせ」広報誌になってはいけない。広報誌は市が今何を大事にしているのか、これから何を大事にしようと思っているのか、そういったことを伝えるメッセージ性の高いものにすべきであると論じられていた。僕も同感である。市長のビジョンがはっきりしていれば、自ずとそうなるのではないだろうか。広報誌がどちらかと言うと市内向けのメッセージを発信するメディアであるとすれば、リニューアルするホームページは市内外両方に、朝来市のアイデンティティを示すようなメディアになってほしいと僕は思う。
上田議員:人間ドック・脳ドックについて。生理の貧困について
前半は人間ドックへの助成について。現在、朝来市では国保加入者と後期高齢者医療制度対象者に対して、1.5万円の人間ドックの助成をしている。人間ドックは4万円前後というので、2.5万円の負担で済む。また、世の中には脳ドックというものがあり、脳卒中の予防になる。現在朝来市では助成はないが、助成をしている自治体もある。脳ドックの助成を求めておられた。
人間ドックもそうだが、朝来市はがん検診の受診率も低いことが課題となっている。病気の予防ということをもっと啓発していかなくてはいけないのかなあと思っている。なお、後期高齢者医療制度の人間ドック助成は、国と兵庫県後期高齢者広域医療連合の補助金を財源としているが、どちらも段階的な補助の廃止が令和4年度から始まっている。また国保については、そもそも経営が厳しい。また、令和9年度をめどに市町村単位から都道府県単位に保険料の統一が図られる中で、保健事業についても統一が検討される可能性がある。この辺りも考慮する必要がありそうだ。
後半は生理の貧困について。学校での生理の貧困対策としては、必要な児童生徒に保健室で配布しているとのこと。また、公共施設等で男性トイレへのサニタリーボックスの設置を求めておられた。尿パッド等を使用している男性が捨てる場所がないからである。市長も前向きな答弁をされていた。