9月議会2日目は令和3年度決算認定のための質疑を行った。加藤の質疑は以下の通り。
①財政状況全般
実質収支、つまり黒字額が9億5600万円ある。実質収支比率は7.43%で、3−5%が標準と言われる中、過剰に黒字がある。健全財政といえば聞こえが良いが、やるべき仕事をやってないんでないか、と思えてしまう。将来負担比率も3年連続マイナスで、財政上のリスクも少ないように見える。であれば、こんなに余らせてどうするのか。税金を安くするか、困っている人に使ってほしい。市民に納得いく説明を求める。
3年間大きな黒字がつづいている。令和3年度に関しては交付税の2億円超の増額があったことと、コロナ禍で実施できなかった事業が多かったことが要因である。各事業については十分審議をして実施の可否を判断し、無駄な事業がないようにしている。
藤岡市政は発足一年以上経った今でも、必要以上の安全運転が続いているように見えます。大胆な新規事業の提案を望みます。
②生野新庁舎建設
財務課 事務事業シート24ページ。生野庁舎新庁舎の設計業務の入札だが、かなりの低価格の入札になっている。予定価格2195万円に対して入札価格は742万円。この金額で町民・市民に長く愛される庁舎が設計できるのか疑義がある。資料を要求する。市が事前に設計した設計価格2240万円の根拠となる資料。また、入札の公示書、仕様書、その他入札説明資料を提示していただくことは可能か。また、今回、指名競争入札で行っているが、プロポーザル等他の選定方法を検討することはなかったのか。
10社大手の設計会社を指名して競争入札をさせた。予定価格超の会社もあった。ルールに則って最低価格の会社を選定した。資料については、事業がまだ途中であり、事業終了までは開示することはできない。
プロポーザルにしなかった理由は、市民の声を反映するため。プロポーザルにすると初めから設計会社の意図が入ってしまう。色がついていない状態でスタートして、市民の意見を聞きながらやっていこうと考えた。
プロポーザル方式にしても市民の声を聞くことはできるはずです。専門家の提案力・デザイン力と、市民の声を掛け合わせて初めて良いものができると思います。一般的に言って、こういった建築設計業務や各種計画の策定業務に競争入札は馴染まないように思います。研究したいと思います。
③施設電気代
決算書68ページ2款1項5目02節01庁舎管理事業の光熱費。本庁舎の光熱費。令和3年当初予算では1000万円、決算額は1340万円。電気料金の値上げなのか。どのくらい上がっているのか。小中学校でもかなり上がっているように見えるが、本庁舎以外も上がっているのか。
昨年度、電気代が26.4%値上げした。本庁・支所・小中学校など、高圧電気を利用する施設は一律に上がっている。
石油価格の高騰ばかりが注目され、補助金等も石油価格に関するものがほととんどです。一方で電気価格が高騰していることはそれほど大きく取り上げられていないように思います。公共施設においても省エネ・創エネ・蓄エネを進めていくべきと考えます。
④婚活事業
決算書98ページ2款1項12目21節 山東支所の出会いサポート事業、86ページ2款1項9目20節 定住促進事業。少子化対策における重要な施策。山東支所、市民協働課、社協がそれぞれ実施し成果を上げている。それぞれが独自性を持って取り組むことが大切だと思うと同時に、こういった施策に市が本気ならば、各団体が連携をとり、一枚岩として取り組むべきと思う。各組織がどのような特徴をもった婚活イベントをしているか尋ねる。また、各組織がこのテーマについてどのように連携を取っているか尋ねる。
それぞれの団体の特徴を活かしながら行っている。市民協働課は播但線の利用促進と絡めたイベントを行っている。日程・会場等の調整は行っているが、それほど大きな連携はしていない。今後は市民協働課を中心に連携を図っていきたい。
⑤文化会館自主文化事業
決算書296ページ 10款4項5目1節。ジュピターホールの自主文化事業では、以前はイベントごとに子育て支援ルームを開設していた。「コンサートには行きたいけれど、子どもがいるのでなかなか行けない。」という保護者のニーズを満たしていた。しかしコロナ以降、令和3年度、令和4年度と開設がない。イベントを再開しているということは、一時預かりも再開して良いと考えるが、市役所としての考えは。
適当な時期に再開をしたいと思っている。
⑥自主防災組織
防災安全課 事務事業シート16−17ページ、関連して市民協働課 事務事業シート69ページ。朝来市の自主防災組織の組織率は100%でありこれは評価すべきものと考える。一方、防災安全課が現在認識している課題として、「自治会により自主防災活動に対する取り組みに差がある」と記載がある。広報7月号で地区防災計画の作成について特集を組んだが、呼びかけて終わりではなく、その後のフォローが大切だと思う。当局は現状どのように各自治会の取り組みを把握しているのか、あるいは今後するつもりなのか尋ねる。
22地区について、地区防災計画が市役所に提出されている。提出された場合、市の全体の防災計画策定のための参考資料にしている。市の補助金を使って地区防災計画を策定した場合、計画の提出をお願いしている。しかし地区が独自に策定した場合、提出は義務ではない。今後もさまざまな場面で地区防災計画の策定を推進していく。
市として、地区防災計画の策定率やその実効性を把握しておく必要があると考えます。それと共に、地区ごとの特性を把握して、それ全体計画に活かすことができます。また、良い計画については事例紹介をして横展開が可能だと思います。
⑦森林経営管理事業
決算書202ページ。6款2項2目。昨年度117haの私有林について所有者の意向調査を行い、そのうち56.8haの条件不利地を市の経営地として間伐をした。目標以上の数値であり評価できる。一方、対象となる市内の私有林(わたくし)の面積は約20000haある。現在作成中の森林ビジョンとの関係もあると思うが、20000haの私有林にどのように優先順位をつけて調査を行っているのか尋ねる。
森林経営の対象となるのは、山の奥地や林道がついていないところなど、条件不利地となる。今年度策定予定の森林ビジョンの中で詳細については計画を立てる。傾斜度や林道からの距離といった指標を用いることを考えている。
森林環境譲与税を活用した森林経営管理事業は森を守り活かすための非常に重要な施策であるが、全体像がよく見えないところがある。百年かかるとも二百年とも言われている。森林ビジョンに注目したい。
⑧水道事業AIの活用
・議案書の9ページ。管路経年劣化率は12.0%だが、管路更新率は0.1%にとどまっているという報告がある。管路更新の進みが遅い理由は何か?
劣化しているが、まだ更新には早いという管が一定数ある。
・AIを用いた水道管劣化診断を令和2年に導入した。業務効率化や漏水の事前防止等に具体的にどのように役になっているか尋ねる。またその費用は。
机上の劣化診断に役立つことはもちろんのこと、漏洩の修理の際にも役に立っている。初期費用が200万円。これは先方にとっても全国で1、2を争う最初の顧客であり、絞った価格になった。
・この取り組みは全国的にも注目されている、オンラインのセミナーで発表したり、雑誌に取り上げられている。ここでの経験・知見を他部署に横展開することで、本市のDXは飛躍的に加速すると考えられる。市長はどのようにこの成果を評価し、どのように活かそうと考えているか。
低いコストで大きな成果を上げており、デジタル化の恩恵を感じている。水道管の劣化だけだはなく、道路の劣化診断等にも応用ができるのではないかと考えている。